はじめに
この記事は、筆者がIBM Think Digital 2020のセッションを観て個人的に感じた内容をまとめたものであり、登壇者の意図する内容と相違がある可能性があります。また、本ブログの内容は筆者の所属組織であるIBMの公式見解では無く、単なる個人の所感・意見ですのでご留意ください。
General Session振り返り
さて、続きを書いていきます。基本的に数あるセッションの中から私が視聴したものについてしか書きませんが、多くのセッションはリプレイ可能なので是非見てみてください。
日本語の翻訳字幕を表示させることも出来るのですが、翻訳の精度があまりよろしくないので、字幕が必要な方は英語のキャプションを選択させることをおすすめします。
Making the Digital Era an Inclusive Era
Virginia M. (Ginni) Rometty
Executive Chairman, IBM
will.i.am
Founder and CEO, I.AM+
ウィル・アイ・アム(will.i.am、本名:William James Adams, Jr.)はグラミー賞を7回受賞しているアメリカのミュージシャンです。また、彼はI.AM.Angel Foundationというアメリカ発展のための財団を立ち上げています。
このセッションでは、IBMのExecutive ChairmanであるGinni Romettyがwill.i.amと対談をしながら教育プログラムについて語り合いました。
COVID-19により、デジタルトランスフォーメーションを加速させなくてはならないと考えているとの話題から始まりました。この状況下、2100万人のアメリカ人にリモートワーク、リモート教育を実施しようとしても、そのアクセスする術が無かったと語られました。それは例えばブロードバンド環境や、iPad、PCといったデバイスの保有状況、環境と機会であったりということです。
Ginniは、リモート学習の新しいフォームを必要とする時が来たと言い、新しいカリキュラムかのように再考する必要があるかもしれないとし、学生に限らず現在失業中の人たちに置いても大切なことである事を示しました。
それは、とてもチャレンジな事であると同時に大きなチャンスでもあり、まさに今、Digital Eraである事を強調しました。
こういった状況下、官民のパートナーシップがとても大切で、そこにはIBMの技術が必要不可欠となってくる、また、それらの準備をするのが我々の仕事であるし、我々はそういったプログラムを持っていると話しました。
そのうちの一つがP-TECHです。4年のHigh school、2年のCommunity College、併せて6年の学習プログラムを必要なものと位置づけ、直近約8–9年で24カ国、150,000以上の生徒、600人の労働者が参加しています。
P-TECHは学習ワークプレイスのための電子プラットフォームと言えるでしょう。内容は下記の通りだそうです。
1年目はコンテンツに関する教育を受ける
2年目はデジタルバッジの取得
3年目はインターンシップ、バーチャルインターンシップ
4年目は労働に向け準備すべきすべて、実際に職場で成功するために
これらをIBMはプラットフォームにし、既にオーストラリア、ブラジル、インドで試験的に実施しています。
will.i.amも自身の生い立ちからI.AM.Angel Foundationを立ち上げた経緯について語ります。
自分は貧しく育ったことから、慈善活動への情熱を注いでいるとのこと。
7歳の頃、Brentwood Science Magnetへ出されたため、STEM教育への関心を強く持っているそうです。そこでの最初の1年はFood Driveであったとのことで、Can foodのような誰もが持っているような食品を集めて貧しい家庭へ配布していたのですが、自分は慈善活動として食料を配る一方で自分の家庭もまたそれを受け取っていたことから、自分が貧しいのだということに気づいたと語りました。
現在では、先端科学研究所やデジタルスタートアップに投資し、子どもたちにプログラミングを教える学校を運営し、65人から始まった生徒は今や720人となり、みんな保護されつつアイビーリーグスクールへ行く予定だそうです。
Ginniは、そのwill.i.amの恩返しとも言える事前活動は素晴らしいとエールを送りました。COVID-19により影響の出た人々への支援もそうですが、ウィルが教える生徒は、ナレッジと言う通貨を持つことができる、それはとても素晴らしく希望となるだろうとも。
will.i.amの学校、P-TECH、それぞれの生徒がコメントをくれたのも印象的でした。いずれも、学習プログラムへの素晴らしさを語っています。
will.i.am曰く、直近6年間くらいは、AI会社とその周りに育てられたと言っても良い。賢いコンピュータを作ること、アルゴリズムを作り事がどれくらい人々を育てられることなのかを考えているとの事でした。
今我々はDigital Eraに生きている。P-TECH、I.AM Angel Foundationに関わらず、学習を必要としている人々の助けになるべきであるというGinniのコメントで終わりました。
Chelsea Clinton announces the 3 initial 2020 Call for Code COVID-19 solutions
Bob Lord
Senior Vice President, IBM Cognitive Applications, IBM
Chelsea Clinton
Vice Chair, Clinton Foundation
今年の2020 Call for Code Global Challengeでは、Developerであり問題解決のアイデアを持っているみなさんに、課題を解決するソリューションの構築を期待しています。
この課題には、COVID-19の当面の問題に焦点を当てたトラックと、気候変動の長期的な問題に対処するトラックの2つがあります。
このセッションでは、IBM Sr. VPのBobが、まさに今我々が直面しているCOVID-19についてのソリューションとしてSubmitしてくれた多くの作品の中から、現時点で魅力的な3つの作品が選ばれクローズアップされました。
COVID-19感染患者と医療機関とをEnd to Endでつなぐソリューション。
患者は自分の症状や、状況などをアプリを通じて医療機関へ伝えることができたり、担当ドクターを直接指定して相談をすることが可能。
また、医療機関側は自分の担当患者の状況をアプリを通じで即時に把握し、適切なオペレーションを行うことで、非接触ながらしっかりとしたケアが出来るというもの。
COVID-19の感染拡大を防ぐ必要がある状況下においても、必要最低限の買い物は必要となる。その際に、ソーシャルディスタンスを意識した行動が求められ、店舗への入店やレジ待ちなどでの列待機は大きな問題の一つである。このソリューションではモバイルアプリとして、バーチャルに列を並ぶことを実現し、店舗自体に列を作らず自分の順番を成り立たせ把握することを可能にした。
病院や各種施設、ショップなどのエッセンシャルビジネスにおいて、事業継続のために彼らをCOVID-19から守るためのソリューション。
データ分析を行い、その事業において何が必要かを判断し、支援プログラムなどのリコメンドも行う。
Call for Code Global Challenge 2020の最終的な作品Submit締め切りは7月末ですが、COVID-19テーマについては出来る限り早い対応が求められるため、早期応募枠を設け今回の3作品の選出に至りました。
これ以外の作品(もちろんこの3作品も)については、7月の最終締切まで再度ブラッシュアップしていただくことが可能です。
今回のBob LordとChelseaのセッションには、3作品のうちのSafe QueueからDavid Churaがゲストとして登場し、今回の開発に関しての意気込みやエピソードを語り、本セッションは終了となりました。
所感
視聴した内容をまとめるのが、これまたなかなか時間を取るわけでして(笑)、あまり多くのセッションをご紹介できないのが歯がゆいですね。
多くのライブセッションはこちらからリプレイを視聴できますので、是非ご覧になってください。もちろんオンデマンドセッションも視聴できますよ。
ではでは。