私は今でこそDeveloper Relationsという仕事をしていますが、元々はエンタープライズシステム系のエンジニアでした。そのなかで、ある種特徴的なFlashエンジニアという経歴があるので、Flashのサポートが完全終了するこのタイミングで、ちょっと振り返りを書いてみます。
異業種からIT業界へ転職し、最初はVBのエンジニア〜Javaのエンジニアとしてそのキャリアをスタートさせた私ですが、FlashはMX時代のAS1.0から2.0の時に結構開発で使いました。当時リッチクライアントにFlashを使うというのが少し流行って、私もそのために仕事で覚えていった感じです。これが2003年頃。
このとき働いていたのは小さなソフトウェアハウスでした。
その後、フリーランスSEとして仕事をしていましたが、元々Java開発をやっていたこともあり、FlashフロントエンドとJavaサーバーサイドを1人で作れるということで、とある会社に引き抜かれました。それが今は無きGluonsというパッケージベンダーで元日本オラクル執行役員だった佐藤聡俊氏が立ち上げたベンチャーでした。
ここで私が担当していたパッケージ製品は、いわゆるEAI(Enterprise Application Integration)で、システム間連携を、異なるシステム基盤や異なるRDB間でもシームレスにリアルタイムに行うという、当時としては結構画期的なツールだったかと。(同系統のツールってData Spiderくらいじゃなかったかな?)これが2004年頃だったかな?
そんな経験から、後にエンタープライズ開発でリッチクライアントが必要になり私が携わったのが某商社向け障害監視システムで、フロントエンドをSilverlightで作ることになりました。この時には自分で起業した会社もやめてしまい、前職の三井情報という会社にJoinしてずいぶん経っていました。
Silverlightは触ったことなかったのですが、私は「Flashと変わらんかなー」くらいに思って引き受けましたが全然違くてビビるw
… XAMLってなんやねん
これが2009年くらいかしら。
ここでXAMLマスターとなったワタクシはその後、まだ日本に居なかったDuet Enterpriseの技術者として第一人者となれとアサインされました。DuetはSAPの基幹システムをSharePointをUIとして操作するためのブリッジとなるミドルウェアです。
品川のMicrosoftオフィスに缶詰になって、シアトルのMicrosoftの講師とドイツのSAPの講師にみっちり教えてもらいました。
2010年頃ですね、まだ英語が全く読めず、聞き取れず、話せず、といった感じで泣きながら米Microsoftのエンジニアとやりとりしながらデモ環境構築をしてましたw
2011年かな?ボス命令でレドモンドのMicrosoft HQへ行って、DuetやSilverlightまわりでハマってた箇所を向こうのエンジニアへ直接相談に行くことに決まりました。
このあたりからだんだん英語やばくね?とか感じ始め、その後35歳くらいから英語を勉強し始めることになります。それに合わせて仕事も海外製品のR&Dとローカライズ的な事が増えていきました。
2015年にシカゴで開催したMicrosoft Igniteでまだ3rd PartyだったXamarinと出会いました。この頃はiOSアプリエンジニアもやってたし、DuetやSilverlightでC#にもXAMLも使い倒してたのもあり、Xamarinの動向をキャッチアップし、日本で勉強会などをやり始めました。
その活動を2年くらい、iOSコンソーシアムメインでやってきた功績も手伝い2017年にMicrosoft MVP受賞。
2015年から2017年は、FlashやSilverlightの概念(レイヤーやタイムラインなど)がわかってるので、それを活かせると思いUnityもやり始めました。当時所属していたR&DでxRをエンタープライズビジネスへ活用できないかという試みです。
同時期に、Flash界隈のエンジニアが集まってたDISTというコミュニティに運営で参加するようになり、そこでその後Node-RED UGやMVP、IBM Championで色々行動を共にする田中正吾さんや、Flashエンジニアだった当時とてもお世話になったFlashコミュニティやフォーラムを運営してた沖良矢さんと出会うことになります。
そして2017年の4月にIBMへJoinし今に至ります。
周りはみんなMicrosoftへ行くと思ってたみたいでIBMと言ったら驚かれたのを覚えてる。でも、その頃はXamarin含めてモバイルアプリの人だったのでIBMのMobile Firstに魅力を感じてたし、Node-REDとの出会いや、IBMグローバルチームのデベロッパーアドボケイトチームが立ち上がるというのがあり、自分的にはIBMへ入ったのは自然だったかなぁと。
そして2020年、Oracle、Microsoft、IBMの3社で立ち上げたエンタープライズブロックチェーンコミュニティを経て、 IBMの私とMicrosoftのデプロイ王子がOracle Developer Daysの基調講演をつとめるという記念すべき年を迎えられました。
こうして振り返ってみると、Flashとの出会いが、私のエンジニアとしての人生を良い方向へ持っていってくれた気がしてます。Flashには感謝いっぱいです!
と、いうことで元Flashエンジニアのわたしは今も元気に仕事しています!